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……コーデリア、アミール、クレアの三人に異変が起きたことに気がついたのは小一時間たったあとだった。
「「……あ、包帯」」
巻き直さなきゃと二人が同時に包帯を拾う。
「「え? 見え……る」」
お互いを鏡のように見比べた。
「「目が、あるよ? 」」
ないはずの、お互いの"片目"がそこには確かにあった。同時にコーデリアに振り向くと、両脇に無言で並ぶ。そして、ガバリと布団を矧がす。
「「「!? 」」」
そこには……ないなずの、"両足"があった。
他の子どもたちもわらわらと群がり、びっくりしながら喜んでいた。
……奇跡で皆忘れた恐怖。必然的に消された"記憶"。そう、突然無惨に死んだ院長とシスターガーネットはいつの間にか"消えていた"。出された体液ごときれいさっぱりと"子どもたちの記憶"からも。
━━その日を境に、メアリーが帰ってくることはなかった。
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