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━━また場面が切り替わった。
「さぁ、願いの代償は揃ったよ。『閃光の殺戮者(シャイニング・デストロイヤー)』! 」
光が辺り一面を覆い尽くした。
だだっ広い灰色"だった"石畳の部屋。そこには一面の赤。
右端でエリオットに守られながら固まっている、コーデリアとアミール、そしてクレア。
左端では、カイトに抱きついて固まっている、アイシャとミリア。
「……もう大丈夫だよ。"家族"を脅かす奴らはいないからね。また現れても、消してあげる」
全身に返り血を浴びたメアリーが笑う。
そう、ここは選別のコロシアム。不思議な能力を秘めたものだけが生き残れる特殊空間。
力弱気ものは、入った瞬間に動けなくなる。そして、強きものと強きものに選ばれたものだけが生き残った。
他の奴らはほとんどメアリーが殺してしまった。
幾人かはエリオットやカイト、ミリアが。
他はサポートに長けていた。
凄惨な光景だ。何百という20歳未満の骸。すべて孤児。理由は様々だが、ここでは情けを掛けたら殺されてしまう。まさに生きるか死ぬか。
メアリーの瞳が怪しく光る。そこにいるのは、果たして本当にメアリー?
皆が不安になっていた。
「メアリー……あなたはメアリーなのに……メアリーじゃない」
震えながらコーデリアが吐き出す。
「……うん、そうだね。メーちゃんはメーちゃんだけど、メーちゃんじゃない」
変わらない優しい顔。皆が大好きだったときのまま。
気がついていた。気がつかないでいたかった。だが、メアリーが"当時のまま"であることを気がつかないわけがなかった。
「「何があったの」」
「……コーちゃんは"両足"、アーちゃんとクーちゃんは対照の"片目"」
メアリーは知っていた。
「メーちゃんの知らないとこで、安価で"売られた"」
三人はビクリとした。
「だから、"どんなことをしても"取り戻さなきゃいけなかった。……エリオット兄ちゃんの"腎臓"や、ミリアの"両腕"、アイシャの"髪"、カイトの"心臓"も」
コーデリアとアミールとクレア、エリオット。
カイトとアイシャとミリア。
知らない同士の共通点。
メアリーは何をした?
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