「センセー、私、今日、死のうと思う」

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でも、高校生だし。 もう直ぐ卒業だし。 困らせたく無いから、本気の告白なんてしない。 でも、好きが溢れちゃって、告白しちゃいそうになるから、ちょっとづつ、ちょっとづつ、冗談めかして、好きって言う。 こうすると、好きを外に出した分、内側に溜め込んでるのが、ちょっと減って、溢れないですんでる。 ………と思う。 もしかしたら、行動とか雰囲気とかに出ちゃってるかもしれないけど、決定的なこと言ってないから、セーフだと思う。 これからも言わないし。 「センセー、もう、手伝うことない?」 「んー……うん、無いよ。ありがとう。」 「そっかぁー……じゃぁ、帰りまーす。」 「はーい。」 あっ、小テストの答案用紙……まるつけする時間、待ってた…? 私のクラスだから、私がいたらできない……迷惑かけちゃった… 「センセー、長居しちゃって、ごめんなさい。帰ります。さようなら。」 「…ん。さようなら。」 鼻が慣れちゃってたけど、外に出ると、空気が違う。 扉を閉めると、私がはいっちゃいけないラインが明確に引かれた気分になる。 ………あと何回、ここに入れるかな?
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