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2年になってからのクラス替えで、席が隣同士だった。 俺の左隣の席の奴はこの学校でちょっと有名人なさわやか好青年。名前は安田 大志。 奴は中学でも有名だった。一緒の中学校だったけどクラスが一緒になった事がないため、あまり関わりはなかった。 誰にでも優しくて、誰にでも親切。 絵に書いたような好青年っぷりで大人気者。 さわやかな笑顔に女子たちは夢中、らしい。 それとはまったく逆の人間。 俺の名前は葉山 雪。ただの地味なやつ。 成績は割といい方。運動はからっきしダメだ。 体育祭とかで、なんだあいつ足遅いな!みたいに言われるタイプだ。 カースト制度なら上位な安田、下位な俺として関わりなんてなかっただろう。 どうせ俺の名前なんて知らないだろうし、中学が一緒だったってこともたぶん知らないのだろう。 彼は僕なんかとはまったく違う人種だ。 だから関わったっていいことなんてないだろう。
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