礼央、34歳。

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「誰でもいいから、おちんぽ強そうな会員さん紹介して。もうダメ、輪姦パーティーしたい」 「輪姦って、お前はそんな言葉どこで覚えたんだ」 「この間、キャサリンさんから体験談きいたの」 「この間って、いつから帰ってきてたんだ」 「一週間前。千歳から聞いてない? 今日で仕事が終わるから、夜、事務所に寄るって伝えておいてって、会った時に言っておいたんだけどな」 「聞いてないし、なんで俺に直接、連絡してこない。それに一番に逢いに来て欲しいし、知ってたら空港まで迎えに行った!」 「なんで、一番に逢いに来ないといけないの?」  十六で会った清良が目の前で、笑っている。 「性格、悪くなったな」 「大人になったって言ってよ」  礼央からしたらまだまだ子供だが、駆け引き上手になった清良を礼央は抱きしめた。 「あっちで外人とやりまくってたんだろ」 「……誰ともしてないよ。ずっとレオン一号で我慢したし、頑張ったし、こないだのパリコレにもいくつか出させてもらったの。……お金なくて、物乞いもしたけど」 「マジで?」 「うん」  二人で吹き出し、笑ってしまった。  ひと笑いして息を吐いても、礼央が離さない清良の腰はリズムを刻むように動き始める。 「おじさんをからかうなよ。もう腰もガタ来ててダメなのよ」 「嘘。千歳が気持ち悪いくらい身体、鍛えてるって言ってたもん」 「お前ら、本当に仲いいんだな」 「ま、ね。鍛えた身体、見せてよ」 「その前に、大人になったってよりも、清良に次に会った時に必ず伝えようと思っていた事があってな……、ゴホっ」 「なんで急におじいちゃんになっちゃうの!?」  ふざけていた雰囲気が一瞬でなくなり、礼央は深呼吸をして清良を見つめた。 「好きだ」  清良は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていて、伝えるタイミングが今じゃなかったかもしれないと、礼央は少しばかり後悔した。 「ずっと思っていてくれたの……、レオン」 「やっぱり嘘、だ」 「え?」 「……ちょっと待て。俺は、清良に一度も言ってないはずだ」 「一度だけ言ってくれたじゃん。もうあれ、無効かと思ってた」  礼央が意を決して伝えた温めていた気持ちをはぐらかすように、清良が顔を真っ赤にしながら服を脱がせにかかってくる。 「おい! 俺はちゃんと気持ち伝えたのに、お前はどうなんだよ」  手を掴むと、清良はうつむいてしまった。
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