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密かに想いを寄せていた親友の千歳(ちとせ)に、彼女ができた。
それを聞いたのが、昨日。
今日の放課後は久々にバイトが休みで、千歳を誘って遊びに出かける予定だったが、初デートと聞き、急にテンションが下がって何も言えなかった。
「はぁ……、ん……ちゅ」
母親と清良、二人で暮らす築三十年のアパート。母親は、清良が中学校に入ったあたりで急に小説家になりたいと、それまで若い頃から勤めていた外資系企業をあっさりと辞めた。最初こそ退職金を切り崩しつつ、それまで暮らしていたマンションに住んでいたが、出版詐欺に遭った母親がある日、こう言った。
『きらちゃん。昔の売れない作家先生ごっこしようよ』
『はいはい』
『んじゃ、決まりね』
一週間後には、このアパートの住人となっていた。
清良は、こんな事を急に言いだす母親を馬鹿だとは思っていない。有名大学を卒業し、外資系企業に勤め、何ヶ国語かは知らないが言語を自由に操れる。頭が良過ぎて理解できない。清良は母親のことをそういう部類の人間だと思っており、普通じゃないことに付き合うことは楽しく、不満はなかった。
「んん……」
久し振りに学校から真っ直ぐ帰ってきた清良は母親がいないことを良いことに、たたんであった布団に寄りかかり、明日の朝ごはん用のバナナの反り具合を確認した。
今日のバナナは良い加減である。
「はいっ……、た」
手で包み込んで摩ってみたり、頬ずりをしてみたが、清良が思うに日本人成人男性の平均的なサイズだろう。
「はぁ……。気持ちいいよ、千歳」
熟れていない青いバナナにコンドームをかぶせ口に頬張り、アナルに挿入した。が、これが初めてではない。指をおっかなびっくり挿入したのは、半年前くらいだっただろうか。千歳と万が一の事があっても悦ばせる事が出来るようにとーー。
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