そして、名前を探してしまう。

初めての経験

今時、スマホを持ってない人は殆ど居ない。
そして、スマホを持っている人の中で、SNSをやらない人も殆ど居ない。

「へへへ～♪やったー♪やっと、スマホgetだよー♪」
高校に入って、ようやくお許しが出て買って貰った携帯電話。後れ馳せながら井野江あすか、スマホデビューです！
周りの友達はみんな持ってて、アプリとかSNSとか……全然話題に入っていけなかったけど！これで私もついていけるわ♪

そうして、初めてスマホを持ったという上がりきったテンションで、初めてのSNSを始めてみる。

「えっと……登録……？あ、これか。へー、名前とか電話とか入力するのかー。あれ？自分の電話とメールのアドレス、どうやって見るんだろ？んー？」

スマホと格闘しつつ、なんとか登録を完了し、初めてのSNSというネット社会への繋がりに成功した。

「登録だけで、こんなに疲れるなんて……。みんな、簡単だって言ってたのにー。とりあえず、お風呂入ってこよーっと。」

慣れない事をした疲れを、お風呂で癒す。
んー……15歳として、間違ってる気がする……。

そんな事を考えつつ、ゆったりとしたバスタイムを終え、部屋に戻ってくると、再びスマホを手に取る。

「さて、と。続き続き。プロフィールかぁ……まず、写真はー……」

ガチャリとタイミングよくドアが開き、愛猫のルナが入ってくる。そして、いつものようにベッドへ上がり、私の傍に寄り、甘えてくる。

「へへっ、ルナ～♪あ、そうだ……！えっとー？カメラ、カメラ……これか。ルナ～、こっち向いて～♪」

しかし、そこは猫。いくら懐いていても、言うことを聞いてはくれず、全然こっちを向いてくれない。向いた！と思っても、何か違和感を感じるようで、変な顔しかしてくれない。

「うーん……ルナ～。もうちょっと、いつもみたいに凛々しい顔か、甘えてる時みたいな可愛い顔してよー。」

そんな私に、無理を言うなと言わんばかりの顔をしてくる。
暫く格闘するも、ルナはお構いなしに眠りについた。

「しょうがない。寝顔でもいっか。」

キレイに丸くなって寝ている姿を撮り、プロフィールの写真としてアップした。

「よし。こんな感じかな？」

書き終えたプロフィールページを見ながら一仕事終えたような疲れに襲われている。