そして、名前を探してしまう。

初めての経験

二人の楽しいやりとりが始まってから１年経とうとしていたある日、愛猫のルナの体調が急に悪くなり、私はスマホをいじる事すら出来ず、ずっとルナの事を考え、なるべく傍で過ごした。

猫にしては珍しい病気で、私が異変に気付いた時にはもう、手の施しようがなく、ルナも最後の最後まで私達家族を気遣いながら、息を引き取った。

私は悲しみにくれ、学校も１週間ほど休んだ。

さすがに、悲しみ過ぎるとルナが心配で天国に行けないよ？と母に諭され、学校には行き始めたものの、何も入ってこない。
学校から帰ってくるとすぐ部屋に引きこもり、ただただぼーっとルナとの愛しい時間を思い出しては涙し、疲れて眠るという日々を繰り返していた。

そんなある日曜日、いつものようにぼーっとしていると、何故か今まですっかり忘れていたスマホが気になった。

「そういえば、ルナが具合悪くなってから全然触ってなかったな……。充電しよう……。誰かから連絡来てるかもしれないし……。」

スマホを充電器に繋げ、電源を入れる。
スマホが立ち上がると、休んでいた間に学校の友達からのメールや電話が来ていた事を知る。

「今メール返すより、明日、学校行った時に謝ろう。あと、心配してくれてありがとうって言わなきゃ……」

来ていたメールを一つ一つ読みながら、皆の優しさで、少しだけ悲しいだけだった涙が温かくなった。

友達のメールの間に、SNSからの通知メールが混じっていた。

「あ、メッセージが来てるって……ナルさんかな？音信不通にしちゃって、心配してるよね……。ちゃんと事情を話さなきゃ……。」

申し訳ない気持ちのまま、SNSを開き、届いたメッセージを読んだ。