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『あすかさんへ
こんにちは。最近、返信来ないし、日記も更新されないので、心配です。何かありましたか?大丈夫ですか?』
「やっぱり……心配させちゃってる……。大丈夫って、返事しなきゃ……」
そう思って、今開いていたメッセージページを閉じると、もう一つ届いている事に気が付く。
「あれ?さっき、2つも未読であったっけ?」
不思議に思いつつも、2つめのメッセージを開いてみる。
『あすかさんへ
何か大変な事があって返事が出来ないって事は分かってるんだけど、今日は言いたい事があってメッセージを送ります。
信じて貰えないと思いますが、僕はあなたの猫のルナです。1年半前、自分はそう長くない事を感じました。そこで僕は、文字通り、神にすがったのです。あなたと言葉を交わしたいと。
僕は、産まれて数ヶ月で親から引き剥がされ、ガラス張りの箱の中で、何がなんだか分からず、ただただ怖い思いをしていました。そんな中、あなたが僕を見つめ微笑んだ時、胸がポカポカしました。
僕はこの人の傍に居たい。そう思いました。
僕は運が良い。あなたが僕を迎え入れてくれた!それからというもの、とても幸せな日々でした。だからこそ、僕の言葉があなたに届かない日々はもどかしかった。
あなたがスマホを持ち、これだ!と思いました。
神は、僕の願いを聞いてくれる条件に、正体を明かさない事と言いました。
僕は、あなたとお話が出来るならなんでも良かったので、二つ返事で条件を飲みました。どうせ長くないし、という思いもあったからね(笑)
だから、あなたと毎日やりとりをしている事が何より幸せだった。1日でも長く生きたいと思えば思うほど、思ってたより早く進む病状に焦った。このままでは隠しきれなくなってしまう!と。
身体中の痛みに負けた一瞬をあなたに見られてしまい、結果、あなたを悲しませてしまう事になってしまった。ごめんなさい。
僕の病状を早く見抜けなかったと、あなたは毎日自分を責めていたけれど、きっと早く見つかっていたとしても変わらなかったと思います。』
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