初めての経験

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「ルナ……」 ナルさんの……ルナの突然の告白を、疑う事を忘れたかのように、すんなりと受け止めている自分がいる。 語られる一言一言に、涙が止まらない。 『本当は最後まで、元気な姿だけあなたに見せてあげていたかったけど、それも遂に叶わなかった……。 毎日毎日、暗い顔させてごめんなさい。 悲しい思いをさせてごめんなさい。 悔しい思いをさせてしまって、ごめんなさい。』 「うっ……うぅ……」 そんな事ないよ。こっちこそ笑顔で見送ってあげられなくてごめんね。そう思うのに、言葉にならず、ただただルナの優しさに泣くことしか出来ない。 『僕は、もうすぐあなたの傍に居られなくなります。その前に、伝えたい。 あすか。僕は君の事が大好きです。誰よりも、何よりも。僕に温かくてふわふわの幸せな日々をくれてありがとう。出来るなら、次はお互いに言葉の通じる種族で出逢いたいです。 そうしたら、あなたをいち早く見つけ、愛していると伝えます。 次もきっと会えると信じて、お別れの言葉はこれで締めようと思う。 バイバイ。じゃあ、またね。』 私は、わんわん泣いた。 泣き終わる頃には、声が枯れるほどに。 だけど、ルナを失った日の色も味も匂いも何も感じなかった、冷たい涙ではなく、世界はこんなにも美しかったのかと思えるような、温かくキレイな涙が流れた。 偶然始めたSNSだけれど、ネット世界はどんな世界にも繋がっている。 たまたま私は、普通とは違う世界に繋がってしまったけれど、これは特別な事ではないのかもしれない。
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