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それがどう最初の発言に繋がるのかと疑問に思っていると、更に友瀬が続ける。
「ずっと平行線だった幼馴染みの二人が、ついに付き合いだしたっていう話」
………………ナンダッテ?
「えーっと、ごめんトモ。よく聞こえなかったから、もう一度いい?」
「だーかーら、乙羽と橘くんが――」
「やっぱり待ったああああああああああああああ!」
「!?」
突然、大声を上げる私に驚いたのか、友瀬の肩がびくりと跳ねる。
「い、いいっ! その先は聞きたくない!」
「いや聞きたくないって、あんたが聞いてきたんでしょうが……」
「だってなんか嫌な予感がひしひしするっていうか、もはや嫌な予感しかしないっていうか……!」
「じゃあ聞かない?」
「うっ……」
私は言葉に詰まった。
その先を聞くのは嫌だ。なんとなく想像がつくから余計に。
でも自分の知らないところで変な噂が流れていると知ってしまった以上、聞かなかったことにはできない。
暫く迷ったあと、私は小さな声で言った。
「…………ごめんなさい、やっぱり聞きたいです」
「素直でよろしい」
にこりと笑う友瀬の笑顔は、それはそれはとてつもなく可愛かった。
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