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紀伊先生は途中で笑ったり、馬鹿にしたりすることは決してなかった。ただ、まっすぐに私の話を聞いてくれた。
「なるほどね。それは辛かったね」
自分の話を受け入れられて、ホッとした。
「相手は白川さんのことを傷つけようと思ってそんなことをしたとは考えれないけどね。だって、白川さんは相手にそんなことをされる原因に思い当たらないんだよね」
「はい。まともに話したこともないので」
「傷ついたのは確かだしね。その子に謝ってほしい?」
紀伊先生に言われて、私は考えた。舌打ちとかも、もしかしたら私じゃない人にしたかもしれない。そのときは、別の子と話をしてたし…。だから、
「いいえ。たまたまかもしれないので、大丈夫です」
「いつでも相談してね。先生は生徒の味方だからね」
結局、今日は教室に行けなかった。保健室で先生のお手伝いをした。そのことを両親に話すこともできなかった。このときは、何が原因で教室に行けないか分からなかった。
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