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その日を境に私は、教室に行くことができず、保健室で居るようになった。保健室で勉強はできるものの、なぜか行けない。
担任も困った表情だ。
「勉強できるなら、戻れるだろ?」
「…行けません」
大げさにため息を疲れた。ああ、この先生は今、私のことを面倒だと思っている。私だって好きで教室に行かないわけじゃないのに。
「早く戻れよ」
そう言って保健室を出て行った。高校2年生の私にとっては単位も大事だ。このままじゃ、留年してしまうことも分かっていた。
焦る私をよそに、紀伊先生は変わらず接してくれた。
「何か原因があると思うの。ゆっくりでいいから見つけていこうね。単位だって、なんとかなるから」
「はい」
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