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それから何回かle mielに通った。
相変わらず仕事は見つからなくて、どーしたもんかなと思っていた。
いや、選り好みしなければ何でもあるんだけど、どうにもやりたい仕事が見つからなかったのだ。
そんな贅沢言ってる場合じゃないんだけど。
今日は季節のタルトを注文した。
だけど、こういうことも正直あまりしていられないよね。
タルトは400円するし、コーヒーだって1杯300円以上する。
無職で節約しなきゃいけない今、ここにももうあまり来れないかもしれないな。
と、感傷に浸っているといつもの彼がレジからこちらにやって来た。
「お味はいかがですか?」
「とっても美味しかったです」
「それは良かったです。天田さんはお得意様ですから、またいらして下さるのを楽しみにしていますね」
と意味あり気に微笑んだ。
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