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先程から無言で俯いていたレイが、マリに向けて微かな笑みを返すと、辺りを見渡しながら佐久間に尋ねた。 「ねえ、コースケさん。 ハル姉はまだここにいるの?白谷達は?」 「三人とも姿は見えませんが、まだここにいますよ」 「あいつらも転生出来るのかなぁ?」 レイの問いに佐久間が表情を曇らせた。 おそらく、白谷兄弟の魂は輪廻の輪から外れた存在なのだろうと佐久間は感じていた。 つまり、偶発的にこの世で産まれた、生まれたての魂なのだ。 レアではあるが、稀にあるケースではある。 しかしその場合、殺人と言う業を積み重ねてしまった以上、輪廻の輪には入れずに消滅してしまうのが定めである筈だった。 ( レイには言えない! ) 佐久間が、不安げに自分を見つめるレイを見つめ返して口ごもっていると、微かに薔薇の香りが漂った。
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