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初めて出会ったときの君は、純粋でまだ何にも染まっていない…穢れを知らない…そんな印象だった。
人の言葉を素直に信じて、スポンジのようにいろんなものを吸収していた。
そんな君が眩しかった。
いろんな色が混じりあい汚れた私には、いつも君が眩しくて、目を細めてみていた。
君はみんなに可愛がられ、素直で人を信じるいい子だったから‥
それなのに…私が君と関わることで、私は君をけがしてしまった。
思い出のアルバムには、まだ穢れていなかった無垢な君が微笑んでいる。
初めてのキスは君から…突然の出来事に私は動揺した。
これに答えていいものか、君の気持ちに答えていいものか悩み、慌てて離れた。
その時の君の悲しそうな目を忘れられない。
二回目の君からのキスに、私は答えた。
君は目を輝かせ、無邪気に喜んだ。そんな君に私は恋をした。
君は片時も離れたくないと言った。そんな無邪気な君に、私は再び動揺した。
動揺した私は、つい君を突き放した。
つかんだ君の手を、私は振りほどいてしまった。
君は傷つき、自暴自棄になっていった。
私が純粋な君を汚して壊した。
そして、君は私の前から姿を消した。
君を失って初めて、心から君を愛していた自分に気づいた。いなくなる直前の君は、初めてあった頃の面影はなく、淀んだ色をしていた。
何にも染まらず真っ白だった…純粋だった君はもういない。
いるのは、私が汚してしまった君。
月日は流れ、君の行方は知れない。
あの頃の君は、もう戻らない。
あの頃の私には、もう戻れない。
でも、アルバムの中には、まだ穢れていない無垢な笑顔の君が微笑んでいる。
ただただ、君の幸せを願う… 。
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