Lie 1

3/18
前へ
/450ページ
次へ
教室の窓側の一番後ろの席。 そこが彼の定位置だった。 「ひーなっ!おはよ!」 「深琴。おはよ」 「今日の英語の課題やった?」 「やったよ。何忘れてたの?」 「お願い見して?」 「仕方ないなぁ」 金城佑くん。 入学して1週間しても、彼が笑っているところは見たことがない。 まぁ、その無表情なところが、女子から人気なんだけど。 今だって、イヤホンをつけながらスマホの画面を見つめ続けてて、誰とも会話してない。 寂しくないのかな。 全然誰とも話さないでいるなんて、私なら耐えられないけどな。 「そういえば、雛はなんか部活とか入んの?」 私の英語のノートを写しつつ、深琴が私に聞いた。 「そうだな、私はー…」
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加