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今同じクラスにいても、話すことは多くない。
挨拶したり、部活の連絡事項話したり、たまに授業の話したり。
だけど。
そのたまに話す言葉が、朝当たり前のよつに交わす挨拶が、私にとってどれだけ意味があるのか。
…きっと、金城くんは知らない。
「…小倉さん、文理どうすんの?」
私が差し出した英文に目を通しながら呟く。
たった今私が考えてた内容だったから、心を読まれたのかと思ってドキリとする。
「文系…かなあ。数学特別得意じゃないし」
「…ふぅん」
金城くんは英文から一切目を逸らさずに、手に持ったシャーペンを回しながら
「…じゃ、一緒だ」
そう言った。
ー…あぁ、もう。
この人はどれだけ私を好きにさせたら気が済むんだろうか。
好きだ、好きだ、好きだ。
好きすぎて苦しくて、口からこの想いを吐き出してしまいたくて。
ー…そんなこと死んでも出来ないけど。
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