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そこからは2人でつまづいたところを教えあったり(ほとんど私が教えてもらってたけど)、時々休憩しながら課題を進めているうちに、柚莉さんが部屋の扉をノックした。
「2人とも、ご飯できたよ〜」
「ありがとう柚莉さん」
気を使ったのか扉の向こうから声をかけてくる柚莉さんに、少しだけ大きな声で金城くんが答える。
「なんか変な感じ」
「ん?」
教科書を畳みながら金城くんが呟いた。
「いや、なんか姉がいたら、柚莉さんみたいな感じなのかなって思って」
本当は、そんなこと思いたくないくせに。
柚莉さんがお姉さんになる未来、きっと金城くんにとっては遠くないんだろうけど。
そんなこと望んでないくせに、なんでそんなこというんだろう。
「…どうなんだろうね」
なんて返したらいいかわからなくて、適当に誤魔化して、金城くんと2人でリビングへ向かった。
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