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「…なんか豪華すぎじゃない?」
「柚莉が張り切っちゃって…妹ができたみたいで嬉しいんだって」
金城くんの呟きにエプロンを外しながら祈さんが答える。
私がいることで喜んでもらえることは嬉しい。
嬉しいけどー…
「子供っぽくてごめんなさい」
そう言って照れ笑いをする柚莉さんは、女の私から見ても可愛いなと思った。
柚莉さんを見る度に胸がきゅっとなる。
金城くんから愛されて羨ましいという気持ちと、どこかでこの人には敵わないという気持ちと。
だって。
ちら、と隣にいる金城くんを横目で見る。
金城くんは唇を噛みしめて、目を細めて柚莉さんを見ていた。
ねぇ金城くん。
その目に一体どんな感情を孕んでいるの。
金城くんがこんな瞳をするのは、柚莉さんの前でだけだから。
そう思うと、さらに胸が痛んだ。
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