Lie 12

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「雛ちゃんもほら!食べて!」 柚莉さんに声をかけられてはっとして、慌てて箸を取った。 「あ、じゃあ、いただきます…」 箸でハンバーグを切って、ふーふーと冷ましてから口に運んだ。 ホロホロとお肉が溶けて、肉汁が染み出てきて、デミグラスソースがとろとろで。 美味しいはずなのに。 なのに。 …味、しない。 「どう?」 緊張の面持ちで私の事を見つめてくる柚莉さんに、美味しいです、と返すとほっとした表情をした。 きっと美味しいはずなのに。 美味しいはずなのに、なんで味しないの。 どうしてー… 「小倉さん?」 ハンバーグを食べたまま項垂れていた私に、隣から声がかかる。 「大丈夫?体調悪い?」 ー…なんで気づいてくれるの。 目の前に柚莉さんがいるんだから、私の事なんて放っておけばいいのに。 どうして、全部気づいちゃうの。
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