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「だい、じょうぶ」
金城くんに心配をかけたくなくて、どうにか顔を上げてそう笑うと、金城くんは複雑そうな顔をしてそっか、と食事を再開した。
なんで気づいちゃうんだろう。
そっか、と返したけれど、明らかに納得していない顔をしていたから、もしかしたら後でなにか聞かれるかもしれない。
私のことなんて何もわからないでいてくれたらいいのに。
そしたらきっとこんなに好きじゃないし、きっとこんなに苦しくないのに。
ー…あぁ、好きだな。
好きで、好きで苦しいな。
私のこと気遣ってくれる金城くんが嬉しくて、どうにか食事を胃に押し込めていく。
ごめんなさい、柚莉さん。
私やっぱり、柚莉さんのことお姉さんだなんて思えない。
金城くんですらそう思えてないのに。
私がそう思うのは無理だよ。
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