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「…ちょっとトイレ」
お皿が空になった頃、金城くんがそう言って席を立った。
金城くんだってきっと金城くんなりにたくさん気をつかってたんだろうな。
それなのに、私の心配までかけて申し訳なくて。
今日断って来なきゃよかった、なんて思う。
金城くんが見えなくなった頃、まだご飯を進めていた私の目の前に座る柚莉さんが、身を乗り出してこそこそと私に聞いた。
「佑くんと雛ちゃんって、どういう関係なの?」
「…え」
思いもよらない質問に、どくんと心臓が鳴る。
「柚莉が雛ちゃんと佑は付き合ってんじゃないかってうるさくて。佑に聞いても誤魔化すから、雛ちゃんに直接聞こうってなって」
柚莉さんの隣に座っている祈さんが付け足す。
それで、私のこと呼んだんだ。
私に聞いたって同じ答えしか帰ってこないのに。
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