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「……柚莉さんに」
「え?」
「…柚莉さんに、関係、なくないですか」
言葉に出してから、はっとした。
顔を上げた時には、柚莉さんは面食らったような顔をして、その次の瞬間には、傷付いた顔をした。
違う、こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
ー…きっと1番しちゃダメな事だった。
好きな人の、好きな人を傷付けるなんて、絶対しちゃいけないことだったのに。
「…そ、だよね、ごめん…」
柚莉さんがわかりやすく項垂れて、その瞬間扉が開いて金城くんが帰ってきた。
「ただい、ま?」
ただものじゃない空気感に、金城くんも扉のところで固まった。
ー…顔が、見れない。
どんな顔して金城くんと顔を合わせればいい?
金城くんが柚莉さんのほうを少し向いたのが視界の端に映る。
そこには、きっと泣きそうな顔の柚莉さんが映っていることだろう。
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