Lie 12

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「……柚莉さんに」 「え?」 「…柚莉さんに、関係、なくないですか」 言葉に出してから、はっとした。 顔を上げた時には、柚莉さんは面食らったような顔をして、その次の瞬間には、傷付いた顔をした。 違う、こんなこと言うつもりじゃなかったのに。 ー…きっと1番しちゃダメな事だった。 好きな人の、好きな人を傷付けるなんて、絶対しちゃいけないことだったのに。 「…そ、だよね、ごめん…」 柚莉さんがわかりやすく項垂れて、その瞬間扉が開いて金城くんが帰ってきた。 「ただい、ま?」 ただものじゃない空気感に、金城くんも扉のところで固まった。 ー…顔が、見れない。 どんな顔して金城くんと顔を合わせればいい? 金城くんが柚莉さんのほうを少し向いたのが視界の端に映る。 そこには、きっと泣きそうな顔の柚莉さんが映っていることだろう。
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