Lie 12

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最悪、最低、最悪だー…。 「わ、私帰ります!」 立ち上がって荷物の置いてある金城くんの部屋に走って、鞄をひったくるように掴んだ。 「小倉さん!」 玄関先まで走ったところで、金城くんに呼び止められる。 わかってる。 傷付いた顔なんてする資格ないってわかってる。 だって、私はさっき柚莉さんを傷つけたばっかりなんだから。 そんな顔するのはおかしいってちゃんと頭ではわかってるけど。 ー…涙が、止まらない。 「……ごめん」 顔をあげられない。 こんな顔、金城くんには見せられない。 私はいくつのものをぶち壊してしまったんだろう。 私は靴を履いて、玄関を飛び出した。 人目も憚らずに、泣きながら街を走った。 ー…柚莉さん、ごめんなさい。 金城くん、ごめんなさい。 私が、全部ぶち壊したんだ。 ー…こんなことになるなら。 出会わなきゃよかった。 好きになんて、ならなきゃ、よかった。
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