Lie 13

2/31
前へ
/450ページ
次へ
「えー、今日は練習試合だ。相手もそこそこ強いところだからな。気ぃ抜くなよー」 コーチの声に、部員全員が返事をする。 私はそれをコーチの隣で見ていた。 金城くんの家から逃げ出して2日経って、今日は他校との練習試合だ。 そもそもお互いに忙しくて、同じ時間に部活に来ていても喋ることはなかったから、昨日も部活に支障が出るようなことはなかった。 それでも、金城くんからの視線は痛いくらいに感じていたけれど。 しかも、柴崎さんには何故かバレていて、喧嘩したの?と聞かれしまった。 その言葉には、曖昧に頷くことしかできなかったけど。 そんな状態で今日を迎えてしまった。 ー…今日は、金城くんがスタメンになって初めての試合なのに。 私は今、どんな顔をしてここに居たらいいのかわからない。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

437人が本棚に入れています
本棚に追加