Lie 1

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「ー…失礼、しまーす…」 からから、と扉を開くと、そこには熱気が篭っていた。 どうしたらいいか分からなくて、きょろきょろしていると、気付いてくれた人が話しかけてきた。 「あー、ファンの子は上の観覧席でー…」 「……本物、ですか?」 ちゃんと話さないといけない、と頭では思っていたのに、口に出ていたのは全く違う言葉だった。 「え?」 「あっ…ごめんなさい!」 明らかに変な目で見られてしまった…!! 「あ、あの、私マネージャー希望で、見学したくて!」 慌てて取り繕うようにそう言うと、目の前の人は固まってしまった。 「し、柴崎準さんですよね?!私、去年のインターハイ見てて!憧れて、この高校に来たんです!」
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