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私にはかつて結婚を誓い合ったパートナーが居た。
指輪を渡し婚約までしていたが、両親の反発に結局は逆らえず政略結婚と言う名の別の家族を築く事となって早四十年を迎える事となった。
何故それを今思い出しているのか?それはずっと彼女が言っていた約束を憶えていたからである。
「絶対にこの指輪は外さないよ!貴方が定年退職してもずっと私待ってるから」
そして定年退職をしてから良くその事を思い出すようになった。
そんなある日、家に配達物が届いた。それは小さな小包が入っていた。
きっと妻がネットで買った物なのかも知れないと思ったが、送り先が私になっていた、その為。
「もしかしてサプライズプレゼントか?」
何て事を呟きながら梱包を開け意気揚々と小包を開けると指輪ケースと手紙が入っていた。
「あわぁぁぁっぁあああ!!け、ゆゆ、指が!!」
指輪ケースの中には、指輪の付いた指が入っていた。
そして箱に入って居たもう一つの手紙を恐る恐る開ける。
”もう待てない、迎えに行きます”
血でそう書かれた手紙が出てきた。
そして、玄関の呼び鈴が鳴った。
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