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私に向かって敬礼をする彼をしばらく見つめる
・・・・・・・うそ・・・・・・・。
そう言われてみると・・・・そんな気も・・・・・
「あかねちゃん」
彼が笑顔で私を呼ぶ。
「え・・・・いちゃ・・・・・・・。って、このナンパ野郎ぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
頭をスパーンと叩いてやった
「いでぇっ!!!
何するんだよー」
「何するんだよーじゃ、ないわよ!このナンパ男!!
いつから、そんなチャラい男になったのよ!!バカちんがー!!!!」
「あかねちゃん、変わってないね~。
相変わらず男勝り・・・・・・」
頭を抑えて涙目の彼の横で 母が
「そうなのよ~。こんなんじゃ、彼氏もできなくて困っちゃう」
そう言って、笑い合っている
この野郎・・・・
怒りに震えていたが、ここで ふと我に返る
「あ!!!それどころじゃないんだって!!携帯落としてきちゃったんだっ!!!お母さん!ちょっと もう一回駅まで送って!!!!」
「え。無理よ?お母さん もうお酒飲んじゃったもの。」
そう言うと、片手を上げて缶ビールを見せる
紅茶飲んでたんじゃないんかーい!!!!
ガックリしていると
「ほんなら、俺が送ってくよ。」
「は?無理。」
こんなナンパ男に送ってもらうなんて 一人で行った方がマシだ
「あら、良かったじゃない。えいちゃんなら安心っ」
母の大バカ発言に目を剥く
「はぁ?こいつと一緒の方が危ないから!!!」
「まぁまぁ」
そう言って、彼が私の背中を押して玄関へ向かうと
母が笑顔でヒラヒラと手を振っているのが見えた
このバカ母~!!娘をオオカミに差出しやがったなぁぁぁぁ~!!!!
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