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「今でもな…俺の本音は…認めたくないんだ。全てをな。
だってそうだろう?おじいちゃんになるんだって知った時、改めて岳史の子供を見ることはないんだと実感したし、雄吾が結婚するって聞いた時だって、岳史の結婚式はする事もないんだと思うと、無念さを感じずにはいられなかったよ。」
口調から、俺達を責めているんじやないのはわかるけれど、「ゴメン」と言わずにいられなかった。
恵人も、続ける言葉が見つからないようで、黙ったまま、少し悲しそうな目をした。
「どうなって…行くのかね…。
皆が幸せに暮らして行ければいい。そう願うよ。
佐織に「何でもお父さんの思う通りになると思わないで!」っ言われて、気付いたんだ。
今までの事も含めて、色々と…な。
構わんよ。二人で住めばいい。
その代わり、世間に迷惑をかけるな。
誰もが、認めてくれる関係ではないんだ、慎むところは慎め。
それと…タケシ、マンションの名義はお前に変えようと思う。」
親父が、俺達を後押ししてくれるのが嬉しくて、ぼろぼろ泣きながら話を聞いていた。
話そうと思っていたマンションの話を先に出されて、一瞬聞き流しそうになったが、思いもしない言葉に慌てて親父に聞いた。
「名義って…?」
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