真夏に起きた“怪事件”

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 やがて食事が済み、三人が車に戻ってきた。  ――すると、例の観光バスが、まださっきの状態のままで在ったのだ。 「やっぱり変だわ……」 「そー……変といえば変だな……?」 「もう乗ってるみたいなのに、まだ停まっているとは……確かに……」  彩葉は、隆の許しを得て、車の屋根に上がり、バスのフロントガラスの中を覗いてみて、 「キャー」と、地面に滑り降りた。 「どうした?」 「どうなってた?」 「いっぱい乗ってるのに、誰も動いてないの……。それに、運転手は振り返ったままだった……」 「なんだって?!」  真は、思い切りジャンプして覗いてみて、 「本当だ。皆いるのに、何かおかしい……」
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