個別指導は大変だ その弐

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 直樹は期待したようだ。その顔にはもうすでに決意があった。 「ヘヴィー! あれでいいんだな?」  ヘヴィーは姿を現したが、すぐに黒いウサギに変身して何度も頷いていた。最近の夢ではウサギが大量に沸いてくるが、きっとツヨシのマネをして強くなろうとでも思っているように感じる。 「功太さん、土の魔力を。きっとこれが一番だと思っているのです」 「お前たちの思った通りでいいと思うぞ。ツヨシと同様でヘヴィーの能力はチカラ技のようなものだ。少し待ってろ」  オレは眼を閉じて自分を探った。白魔法がやけに大きい。続いて黒と緑。混沌と気孔はそれよりも少し小さいようだ。    そして、もうひとつある。生まれたばかりのようだ。探ったところ、オレは驚いてしまった。創造神の能力がオレにも与えられたようだ。しかしなぜとオレは考え込みそうになった。  オレは思い直し、これはあとでコウータに聞くことにした。混沌のオーラから土魔法を素早く作り上げた。今までと同じ感覚で創ったのだが妙にデカくなったなと感じた。しかし、多分大丈夫だろうと思い掌に取り出し、眼を開いた。 「それ… 大丈夫なんでしょうか…」  直樹が呆れ顔でオレの掌を見た。そしてオレも直樹に同意して呆れ、笑い出してしまった。     
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