個別指導は大変だ その弐

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「さてイメージングだが、時折は吸引の杖を扱っているようなので指導することはあまりない。だが、面白いトレーニング方法もあるんだ。これをマスターできれば、吸引も簡単に操れる」  直樹が驚きの表情でオレを見た。悦子も講義に参加するようだ。 「まずは眼を潰れ。当然の如く暗闇の世界だな。だが、何か見えてこないか? 光りは感じないはずだが何かが蠢いている感じだ」 「…ああ、はい… なんだろう… 何とか検査のような、そんな模様が…」 「そうだな。その形を想い通りに変えられるとすぐにイメージマスターになれる。簡単だろ? …これは最近気付いたんだ。イメージはこれが源になっているんだ。初めは思ったものにはならず、予想も出来ないものに変化する。そして変化し続ける。調子のいい時はフルカラーで思い浮かべられる。 …知らない子供の顔や女性の顔、行った事のない場所の風景などが現れるんだ。どうやら集中を超えた世界に達すると、これが思い通りに変化する。ヒトの脳の不思議なところだな」 「はい、確かに… …それに話していると掻き消えてしまいます」     
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