個別指導は大変だ その弐

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「あまり鋭利なものは想像しない方がいいな。貫通力ではなく衝撃力を重視した方がいい。ツヨシのチカラとエッちゃんのチカラでかなりのスピードで飛んで行くことだろう。 …貫通力は直樹に任せればいい。重力の魔法の方が圧縮度は高いはずだ。土の質にもよるが、宝石類に変化するかもな」  そして直樹が眼を見開き、小さな土団子を的に投げつけた。的の強度は中間ほどだが、見事に凹んだようだ。重力はかけていないようなので、イメージング次第でかなり素晴らしい攻撃になるだろうと期待した。 「直樹、いいな。次は軽くでいいから重力をかけろ。今の的なら貫通できるかもしれないな」  オレの言葉は直樹には届いたが、ヘヴィーには届かなかったようだ。慣れない魔法で魔力調整が難しいようだ。ヘヴィーは気を失ってはいなかったがかなりキツそうだった。直樹がヘヴィーを気遣い、休憩することにしたようだ。    オレ達がベンチに座ると、ヘヴィーは床に寝転んだ。そして眠ってしまったようだ。魔力はあるのだが、急激な変化に耐えられなかったようだ。 「今の土団子でもまだ大きいのだろう。もっと小さくしてやった方がいいな。だがそのうち慣れるだろう」  もうすぐ昼なので、オレからの訓練は終了すると告げたが、付け加えて言った。 「今回、悦子が乱入して来たからな。悦子の個人授業の時は直樹の同席を許す。その頃には術に磨きがかかっていると思うから丁度いい時期だろうな」  直樹は悦子の乱入を心から喜んだようだ。悦子も邪魔をした侘びを言っていた。     
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