個別指導は大変だ その弐

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 フロアに戻るとデヴィラたちがニヤニヤしていた。いつものお遊びだろうとすぐに察知した。 「デヴィラ、オレは死にそうになったんだぞ。お前、それに耐えられるのか?」  デヴィラはオレに言われて始めてその事実を自覚したようだ。いたずらをした子供のような顔をしていたのだがいきなりその顔が苦悶に満ちた表情に歪んだ。 「…お父さんは私の恋人ではないので耐えられます。耐えなきゃいけないの…」  どうやら、想像しただけで辛くなったようだが、オレの今朝の顛末も思い出し必死で耐えているようだ。 「お前たち、覗き見はエチケット違反だぞ。それにカノン、お前も訓練しろよ。今はオレの部下なんだからな」 「それはダメだ。カノンの訓練はオレに任せろ」  デヴィラが妙なことを言い出した。だが、守るべき王の言葉に従うことにしたが、カノンはオレに何か言いたいようだ。 「カノン、デヴィラがいると話し辛いのか?」  オレが言うと、どうやら図星だったようだ。カノンはオレではなくデヴィラを見た。デヴィラはバツが悪そうな顔をした。 「お前たち、そういう関係だったのか… お互い恋人もいるのに… だがそれが快感なんだな。 …ほんとに、悪魔らしい考えだな」     
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