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あたりはしんとしずまりかえっています。
続いて、フムフムが出てきました。
フムフムは、白いはだの男の子の目の前にまっすぐ向かうなり、少年の顔を見て、ふむふむとなにかを発見したようにうなずくのでした。
わたしは、その白いはだの少年に見おぼえがありました。
少年の名はサトルと言います。
わたしがかんじょうのテストにらくだいして、“なく”の教科のほ習を受けていたときに、サトルくんはいつもとなりにすわっていました。
彼は、べつにわたしのように、“なく”の教科が不得意であるわけではありませんでした。
しかしながら、彼は勉強ねっしんなため、“なく”以外にもすべてのかんじょうのじゅぎょうのほ習を受けていました。
そんな勉強ねっしんなサトルくんでしたが、“なっとく”のかんじょうだけは、不得意でした。
サトルくんにとって、この世のものごとはすべてふしぎだらけでしたから、ほんとうの意味でなっとくできることなど、なにひとつなく、フムフムにつれられていく中でも彼は、ふかかいなものに対するじょうねつの目を向けながら、弟たちにかんたんなわかれを言ってえがおでさっていくのでした。
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