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フムフムの次は、オロオロがおそるおそる前に出ました。
オロオロに合わせて、力強い足どりで、ひとりの女の子が顔を出しました。
その顔は、わたしのよく知る顔でした。
わたしの親友のクラーネは、とてもかち気な女の子で、わたしとおんなじように“なく”も苦手でしたが、わたしほどまでではありません。それよりも“とまどい”のかんじょうがまったくわからないという子で、むしろ開きなおって、自分の“とまどい”のかんじょうのなさをじまんするほどでした。
クラーネちゃんはオロオロに向かって、まるで命令するようなくちょうで、早くつれていきなさいよと言い、クラーネちゃんのお母さんとお父さんと妹には、心配しなくて大丈夫、と自信をもって言うのでした。
クラーネちゃんはわたしのすがたを見つけると、うれしそうに手をふり、まるで楽しい旅行にでもいくような感じで、オロオロをひっぱり先頭をきってかけだしていったのです。
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