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フルヒイト先生にれんらくをうけたわたしのお父さんとお母さんはたきのようななみだをうかべながらなげきました。
「ああ、もうおしまいだ。このままでは、ティアレ、おまえはシクシクのもとにつれていかれてしまうことになる…。」
「ティアレ、今度こそさいごのチャンスよ。
うそでもいいから、さいしょからさいごまで、ずっとなくフリをしてみなさい。」
そうお母さんに言われ、わたしはとうとうさいごのしけんにいどんだのでした。
さいごのしけんは、大切にしていたペットのネコがどこにもいなくなっちゃって、そのかい主の子どもの男の子がわんわんないているという内ようです。
わたしは、お母さんのちゅうこくをちゃんとおぼえていたのですが、いざ本番になってみると、ただ自分のすなおなかんじょうにしたがうしかありませんでした。
男の子がわんわんとなきとおしているすがたを見たとき、わたしはイヤな気持ちで満たされていました。
ほんとうの動物好きな人は、ネコをあんなふうに、男の子をあんなふうに、あつかうでしょうか。
きづくとわたしは、おこっていました。
ほかの子どもたち全員が、みんなうそぶいたなみだをうかべるなかで、わたしだけこころから、おこっていたのでした。
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