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目の前にシクシクとニヒニヒとオロオロとフムフムが一体ずつじっとこちらを見つめながらたいきしており、そのうちにわたし以外の子どもたち(つまりわたしのようにかんじょうのテストでわるい点数ばかりとっていたオチコボレの子たちです)も4人集まったのでした。
まず、ニヒニヒが前に出てきました。ニヒニヒはまるで、お客さんをよぶ商人のように、あいそうのよさそうな顔を近づけてきて、ひとりの背の高い男の子をつれだしていきました。
男の子は、顔を見たことがありましたが、名前の知らない子でした。
その男の子にたいして、たぶんお姉さんでしょう、シャオシャオさようなら、と、ひっしになみだをこらえながら笑顔でさけぶ女性のすがたがありました。
シャオシャオとよばれるのっぽの男の子は、しくしくとなきながら、ニヒニヒに手をひかれ、やがて見えなくなったのです。
たぶん、あの子はわたしとちがって“なく”の点数はよかったに違いありません。しかし、彼はたぶんニヒニヒと“わらう”ことが下手なのでしょう。
わたしはニヒニヒとわらうことは得意なので、はんぶんニヒニヒをシャオシャオくんにわけて、かわりにシクシクをはんぶんもらいたいなあと思いましたがもう手おくれでした。
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