0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
夏休みの昼過ぎドーンという大きな音と土砂降りの雨で目が覚めた。ゴロゴロと響く雷と雨音を聴きながらぼんやりと遊びに行けないなと考えながら又眠っていた。
再び目を覚ますと雨は小降りで陽の差している所もあるので、従兄弟の和也の処に行こうと傘を差しサンダルを履いて家を出た。
道は未だ濡れていて所々に水溜まりが出来ているが小さい頃から水溜まりの中を歩くのが好きなので水溜まりと水溜まりを繋ぐ様に道を歩く。
少し大きい水溜まりを歩いていると突然足首を掴まれた。
「えっ」と声が出たと思った時には水の中に引き込まれていていて完全にパニックを起こした僕は水溜まりを歩いていたことを忘れ水の中でもがいた。
一瞬死が頭を過るがそれ処では無い。
と、突然手に何かが当たり夢中で其れを掴んだ。掴んだ瞬間水溜まりに座り込んでいた、全身ずぶ濡れで?
手に掴んだ物を見ると僕と同じくらいの手でありその手の先で従兄弟が不思議そうな顔で僕を見ている。
「どうしたの?」
と聞かれたが、助かったという思いと溺れていた時に飲んだ水を吐きながら泣いた。そんな僕を従兄弟は家に連れて帰ってくれた。
母親と従兄弟に訳を聞かれてありのままを話したが信じては貰えなかったし僕だって信じられなかった。
次の日た母親が買い物から青い顔をして帰って来て、お前の溺れた水溜まりには何処に有ったのか聞いたので教えると身ぶるいして黙り込んだ。
数日後登校日のため学校に行くと水溜まりに倒れて死んでいた子がいて死因は水死だと噂が流れていた。
最初のコメントを投稿しよう!