日陰 壱

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 お日様が高くなって、そろそろお昼ご飯の時間です!  健ちゃんと燈也君はご飯係、私たち女性陣はカレー担当なのです。 「なんか調理実習してるみたい」 「あはは、間違いない!」 「ねぇなぎさ、肉と野菜いためちゃっていい?」 「いーよー」  肝心の火は健ちゃんが手際よくつけてくれたので、私たちはワイワイやりながら調理実習。 「炭火の火力ってけっこうすごいねぇ」 「でもかなり煙たい、うちわってどこだったっけ?」 「健ちゃんがさっきあの辺に置いて行ってくれたはず」  なっちゃんはうちわを探し出して、ぱたぱた仰いで風向きを変えている。 「なっちゃんが場所をうつったらいいんじゃない?」 「なるほど! その手があったか! じゃぁ私このまま火の番するからじゃんじゃん煮込んじゃってー」  なっちゃんがぱたぱたと火に酸素を送ってくれるので、火は順調に熱を上げていく。太陽の熱もあってかなり暑い。でも、こんな暑い中で食べるのがカレーの醍醐味だよね!
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