日陰 壱

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 初日、お昼のカレーも美味しくできたし、夜のバーベキューも最高! 一日が本当に楽しくてあっという間だった。  近くの施設にあるお風呂に入ってからの帰り道は満天の星空。空にこんなに星があるなんて、プラネタリウムでしか見たことがなかった。  どんな願いでも叶えてくれそうな空に、私は思わず願いをかける。このまま、ずっと五人で仲良くいられますように!  そんな星の降る夜、体は疲れているのに、頭の方は冴えてしまって、眠るのが惜しい私たち女子は小声でないしょばなし。お泊り会なんてなかなかできないんだから!  こういう時に花が咲くのが恋バナですよ。 「なっちゃん、新しいクラスどう?」  一人4組のなっちゃん、クラスの様子に残念そうな様子で首を横に振った。 「数少ないイケメンはすでに虫がついております……」  虫、というのは、どうやらカノジョのことらしい、ひどい例え様だ。 「うちのクラスもパッとしないよねぇ、まぁ健ちゃんとか燈也見てると、目が肥えるよねぇ、仕方ないか」  自分のクラスの男の子たちの顔を思い浮かべたのだろう、心晴はそんなことを言ってくるから私も思わず笑いながら同意。  たしかに、燈也君は言うまでもなく、爽やかな健ちゃんも女子にすごく人気がある様子で、この二人といつも行動を一緒にしている私たちのことを羨む声が後をたたないようです。  でも、それもこれも、こちろん心晴が一蹴。本当に心晴ってすごい、言うことははっきり言えるし、物おじしないというか……周りのみんなも心晴には一目置いてるっていうか……本当に尊敬しておりまする。
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