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実家に帰るたびに――
「おまえはいつ結婚するの?」
なんて聞かれたら嫌気がさすけれど。うちの両親は、娘のことなんてほったらかしなのですごく気楽。
お兄ちゃんは早くに結婚して、もう子供が二人もいるものだから、孫が欲しいとかどうとかも言ってこないし。甥っ子ちゃんも姪っ子ちゃんもすごく可愛いし――
でも、やっぱり恋愛したいんです。
だって、恋する女は綺麗だもんね、いくつになっても綺麗になりたいものなんです。
私も、キラキラ輝きたいよ、あの時みたいに。って――あの時はキラキラ輝けてた? きっと違う。湧いてくる黒い感情と戦うのに必死だった。
今思えば、高校生は私の最大のモテ期だったのだ――と、思う。
そうとは気が付かずに恋心を擦り減らして過ごしてしまった……と、自己嫌悪。
でも、あれで精いっぱいだったんです。
心晴を応援することで、自分を押し殺すことで――まだまだ幼い不器用な私は、精いっぱいだった。
それが正しいんだって、思っていたんだから……
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