朝日 壱

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 暗闇に浮かぶ窓の景色が、だんだんと懐かしいものに変わって行く。何年経っても、変わらない懐かしい景色――  いくつものトンネルを抜けて、もうすぐ地元に着く。 「まもなく……」  流れる車内アナウンスに促されて、私は重たい腰を上げた。  会いたい気持ちと会いたくない気持ちが私の中で死闘を繰り返す。  でも、この胸の痛みは……やっぱりあなたに会いたがっているのだと思います。  ねぇ、もしも今会ったら、あなたは昔のことをどんな風に語ってくれますか?
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