落日 壱

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 (きた)る九月の第二土曜日。ブルーシートでテント下に陣を張る父兄の皆様がちらほら――あ、健ちゃんのお父さん見つけましたよ! 私の両親はお店がありますので、もちろん来ておりませぬ。 「よーし、二組ー! ファイッオー!」  なんて、うちの学級委員の斎藤君が大きな声で掛け声をかける。私たち二組連合軍はワイワイしながらオーッと声を上げた。私、こういうのすごく好き。 「ねぇ、借り物競争いつ?」 「午前の三つ目、けっこう早く来るかも、心晴は?」 「玉入れから始まるー、午前の最後」  チアリーチング部の子たちが応援する中、生徒たちは結構ムキになって各競技に参加するから、白熱したバトルが繰り広げられて楽しい!  応援する方にも熱が入るよね! 「なぎさー、借り物一緒な」  ぽんっと頭をはたいてきたのは、もちろん燈也君です。彼も借り物競争に出るって言ってたっけ。 「うん、頑張ろうねー!」  そう返すと燈也君がこぶしを見せてきたので、私も右手でこぶしを作ってこつんとグータッチ。こういうのも好き、闘志が高まるよね! でも違うクラスだから今は敵同士だよ、燈也君!  
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