落日 壱

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 女子の方が早く順番が回ってくるので、私は指定された列に並んで競技が始まるのを待つ。  競技用に線が引かれたトラックの内側で、五クラスが縦に並んで待機しているのだけれど、なかなか準備ができないみたいで少しずつざわざわしてくる。 「ねぇ日野さん」  なんて、私の後ろに控えている隣のクラスの男の子が小さな声で話しかけてきた。どうやらないしょばなしがしたいみたい。声の主は去年同じクラスだった山野君だ。私も当然小さな声で聞き返す。 「なぁに?」 「石川さんって、付き合ってる奴いる? 校外とかさ」  おーこの手の話しですか! こんなところで聞いちゃいますか! 山野君、相当焦ってるの?
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