落日 壱

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 心晴の玉入れが終わって、午前中の競技は終わり。私は心晴となっちゃんと一緒にご飯を食べています。  二人とも家族が見に来てくれているので、私は並んで敷かれた二人の家族の敷物に間借りしてお弁当を食べる。今日はみんなで分けるように、お父さんがお店のパンをたくさん持たせてくれたから、心晴となっちゃんのご家族にもパンを配ることができた。 「ねぇ、私のお題なんだったと思う?」  メロンパンをぱくつきながらなっちゃんが文句を言い始めた。そういえば、なっちゃんはなかなか借りる人が見つからなくて困っていたみたい。しばらくたって校長先生を引っ張りながらゴールしてたっけ。 「あれ、お約束のやつ!」 「お約束?」 「校長先生だよ! 校長先生!」 「何がお約束なのよ?」  チョコクロワッサンをぱくっとかじりながら、心晴が尋ねると、なっちゃんはばんっと敷物を叩いた。 「トイレに行ってるの! あれ、お約束のやつでしょう? 先生、借り物競争で借り物になっていますので、しばらくトイレに籠って困らせてやってください――ってやつ」 「あはは、なにそれ、どんなやつよ」  おかしそうにお腹を抱えて笑う心晴の横で、私も思わず笑ってしまう。  グラウンドでは、午後からの競技の準備に、体育祭委員会の子たちが駆け回り、その中央でチアリーディング部の子たちが踊っていた。
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