落日 壱

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 午後は男子の騎馬戦から始まる。心晴とプログラムを見ていたら、健ちゃんと燈也君がやってきた。 「燈也うちの大将騎だから応援してやって」 「えぇ! 燈也大将なの!? わかった、応援する!」 「こらこら心晴、うちのクラスは」 「うちのクラスは二番目に応援するー。五組総当たりなんて乱戦だよねぇ」 「二人とも、とにかくケガをしないように」  そう、赤、白とかに分かれて戦うわけじゃないので、最後に各クラスの騎が何機残っているかで順位を決めるのだ。わざと早々に崩れく騎もあるけれど、それが正解な気もする。 「俺は燈也騎を守る囮騎だから、一緒にいると思う、じゃぁなー」  召集のアナウンスがかかって、健ちゃんと燈也君が集合場所に集まってしまう。 「なぎさ、保健委員会の当番の時間じゃない?」 「え? あ、本当だ、忘れてたー。ごめん、心晴、また後でー」  私は急いで本部の隣にある救護テントに向かった。少し遅刻かも知れない、すみません、私の時計、少し遅れているんです――なんてこそっとテントに入ってグラウンドに並ぶ騎馬に目をやる。  うちのクラスの横に、燈也君と健ちゃんの騎馬があった。二人とも上に乗ってるけど、燈也君の騎馬はすごく大きくて、遠くから見ているだけでも大迫力。  頑張って――そう思う以上に、怪我をしませんように――そう、祈ってしまう。
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