落日 壱

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 競技の後、健ちゃんと燈也君が一緒に救護テントにやってきた。 「お疲れ様! すごく格好良かったよ!」  なんて声をかけると、健ちゃんがにぃっとⅤサインを見せてくれる。それから―― 「燈也、足怪我しちゃったんだ、なぎさ、保健委員だろう? ちょっと手当してやってくれよ」 「大丈夫だって言ってんのに……」 「おまえリレーにも出なきゃいけないんだからな!」  なんて言いあいをしている。どれどれ、と見てみると、短い丈のジャージからのぞいた左足を大きくすりむいているみたいだ。 「い、痛そう……!」 「だろう? ほら、頼むよ、なぎさ」 「まず水で洗って来よう、先生、ちょっと手当に行ってきます」  養護教諭の先生に声をかけてから、私は燈也君と一緒に保健室近くの水道に向かった。
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