落日 壱

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 ついにやってきた、最後の選抜リレー。  点差は健ちゃんと燈也君のクラスである一組と、私と心晴のクラスである二組が僅差で一位を争っている。  だけど、この最後のリレー。点数の分配が滅茶苦茶で、このリレーで一位を取ればどのクラスでも点差をひっくり返すことができるのだ。  もはや、この選抜リレーにすべてがかかっていると言っても過言ではない。応援の声も一際大きくなる。 「あーうちのクラスの選抜ぱっとしないから、健ちゃんたち応援しようかなぁ」  なんて、二組のテントにやってきているなっちゃんがそんなことを言うので、心晴も深くうなずく。 「私もクラス優勝とかどうでもいいかも」 「ちょっと心晴!」 「なぎさもさ、健ちゃんと燈也応援したいでしょう? 一緒にしようよ!」  はい、確かにおっしゃる通りです心晴様。  私は少し肩をすくめて笑ってから、だよね、と返す。でも――  もし燈也君が一位になって、バスケ部の部室で待っていたら……私は、行くべき? 行かないべき?  正解は――『行かない』だよ、私。やりたいことと、正しいことが、いつも同じとは、限らないでしょう?
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